国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「逃げたぞ!」
リムルの追っ手の足音と声を背に、ミリアンは弾む息を何度も呑み込んだ。突き当たると左右に別れる廊下に出くわし、迷いながら勘で進む。自分の城ではない構図にレイの顔にも戸惑いの色が浮かんでいるのがわかる。
ぜいぜいと喉を鳴らし、迫りくる恐怖に叫びだしそうになる。遂に足がもつれ、躓いた。繋いでいた手が、するりと滑って離れる。
「あッ――!」
と叫んで転びかけるミリアンの腰をレイが背後から支えた。逞しい腕が、がっしりとミリアンの身体を支える。
「大丈夫か?」
「はい」
額から頬にかけて一筋の汗が流れていく。ここで立ち止まるわけにはいかない。どこへ向かっているのかわからない不安と恐怖を振り切って駆けだすと、再び足がもつれそうになってしまう。
走り続けていると、大きな扉の前に来た。ようやく外に出られるかと、勢いよくそれが開かれる。
「きゃ!」
リムルの追っ手の足音と声を背に、ミリアンは弾む息を何度も呑み込んだ。突き当たると左右に別れる廊下に出くわし、迷いながら勘で進む。自分の城ではない構図にレイの顔にも戸惑いの色が浮かんでいるのがわかる。
ぜいぜいと喉を鳴らし、迫りくる恐怖に叫びだしそうになる。遂に足がもつれ、躓いた。繋いでいた手が、するりと滑って離れる。
「あッ――!」
と叫んで転びかけるミリアンの腰をレイが背後から支えた。逞しい腕が、がっしりとミリアンの身体を支える。
「大丈夫か?」
「はい」
額から頬にかけて一筋の汗が流れていく。ここで立ち止まるわけにはいかない。どこへ向かっているのかわからない不安と恐怖を振り切って駆けだすと、再び足がもつれそうになってしまう。
走り続けていると、大きな扉の前に来た。ようやく外に出られるかと、勢いよくそれが開かれる。
「きゃ!」