国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「レイ様、なぜです? なぜ、自分で自分の胸にナイフを突き立てるようなことを?」

「それは……お前にかけられた暗示を解くためだ」

「え……?」

――お前はジェイスによって暗示をかけられている。

確かにレイはそう言っていた。

(暗示をかけられたとしたら、やっぱりあの時……)

今思えば、ジェイスから実をもらったあの夜から異変は感じていた。自分が自分でないような妙な感覚だ。

「その暗示を解く方法というのは……?」

互いにそっと身体を少し離し、ミリアンは漆黒の瞳を覗き込んだ。

「私の胸に剣を突き立てること、それが暗示を解く方法だった」

――その方法、それはね……ミリアンが君の胸に剣を突き立てることだよ。
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