国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ん、私は……」

喘ぐようにふさがれた唇を離す。大きく波打つ鼓動がうるさく鼓膜に響いている。愛おしいという気持ちが一気に沸き起こる。しかし、ミリアンは「愛している」という言葉を口にすることができなかった。なぜなら――。

「嘘をつくレイ様を愛することなんてできません」

まさか、この状況でそんなことを言われると思っていなかったレイは、にわかに表情を固める。

「嘘、だと?」

「そうです。私の母を殺したというのは、嘘なのでしょう?」

そういうと、レイは驚きで目を見開いた。固まったままの表情にじわじわと戸惑いが広がっていく。鎌かけのつもりだったがその反応にやはり、とミリアンは確信した。

「なぜ、そう思う?」

「どうしてもレイ様がそんなことをする人に思えないからです」
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