国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「やはり……あなたはラタニアの守護神の化身……」

セルゲイはくしゃりと顔を歪め、こみあげる嗚咽に唇を噛んだ。

「セルゲイ」

するとレイが片膝をつき、俯くセルゲイに言った。

「お前はそれでも罰を受けなければならない。リムル国王をたぶらかし、国の混乱を招いた挙句、サーナを殺したという罪だ。騎士団長の役職も今日限りで解雇だ。そして私の気の済むまで投獄生活をしたのち、もう一度下級兵士からやり直せ」

「え……レイ様……今なんと」

今、すぐにこの場で国王陛下の剣によって首を落とされるのかと覚悟をしていたセルゲイは耳を疑った。

「聞こえなかったのか? 罪を償い、年月をかけて再び私の元へ戻って来いと言っている」

「御意!」

極刑を免れ、思わぬ恩赦にセルゲイは言葉に力強い意思を込めた。

夜が明ける寸前の、澄んだ空気が満ちてくる。
空は、東に明るく西に暗く、太陽の光に背かず、星たちはその姿を消そうとしていた――。
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