国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「あの時は私も必死だったんですよ? でも、すべて吹っ切れました。レイ様が私を守り抜いてくれたおかげです」

頬を緩ませて笑むと、柔らかな表情でレイは目を細める。初めて会った時の冷酷な雰囲気は、今はもうない。もしかしたら、これが本来の彼の姿なのではないかと思ってしまうほどに。

「きっと、私の部下はこんな骨抜きになった姿を無様だと笑うだろうな、それでも――」

すでに紅潮した頬をレイの指先でゆっくり撫でられる。そして『あ』という形をさせ、微かに開いている唇の端に、親指をあてがった。

「私はお前を愛した。その芯の強さに惚れたんだ」

その甘い囁きに、ミリアンの肌が粟立つ。すると、レイの長い睫毛が物憂げに伏せられた。
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