極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「……大丈夫か」

ほんの少しぶっきらぼうな声。

振り仰げば、心配そうに歪んだ優しい瞳。

私がこくりとうなずくと、安心したのだろうか、今度はお仕置きのごとく私の額をぺチンと叩いた。

「どうしてお前は性懲りもなく、あいつを部屋へ連れ込んでんだよ」

「……すみません、成り行きで……」

「俺が来なかったら、お前、自分がどうなってたかわかってるんだろうな」

唐突に真顔で叱られて、私はぐっと押し黙った。当然だ。私ってば、すごく軽率だった……。

「ごめんなさい」

「勘弁しろよ。本気で焦った」

彼は私の頬に頬を寄せて、心底疲弊した声を漏らした。
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