極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「神崎さんって、ときどきすごく恥ずかしいことを堂々と言いますね」

照れた私がうつむいて呟くと。

「今さっき逢沢と話してるときに、さんざんこっ恥ずかしいこと口にしたしな。今さら隠しても仕方ないだろ」

悔しそうにそう言って、私を抱いたまま歩き出す。

わずかに彼の頬が朱い気がするのは、気のせいだろうか。

私はこうして抱き上げられているだけで、心臓が止まってしまいそうなほどにドキドキするよ……。

「……聞いても、いいですか?」

「なんだ」

「水上さんと、お付き合いされてたんですか……?」

気になっていたことを恐る恐る尋ねると、彼はわずかに逡巡した後、「昔、な」観念したように答えてくれた。
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