極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「……こんな私、まじまじと見ないで……」

こんなにもはしたない姿、見られたくない。

それなのに彼は、私が理性を失えば失うほど、嬉しそうに息を切らしてくれる。 

「乱れた姿も綺麗だ、三花。もっと見せてくれよ」

荒い吐息が重なり合って、我を忘れて乱れ合った。

一晩中、幾度となく体を重ねては眠りの縁に落ちて、そんなことを何度も繰り返した。

こんなにも情熱に溺れたのは、生まれて初めてだったと思う。

心を通わせられなかった分の時間を取り戻すように、空が白み始めてもなお、私たちは体を交わらせた。
< 210 / 227 >

この作品をシェア

pagetop