極上恋夜~この社長、独占欲高めにつき~
「やめてよ、神崎さんのやり方なんて私には無理だし」

「でも、今や咲島さんがリーダーなわけだからさ」

『神崎コーポレーション』との契約が本格化するにあたって、ここ営業二課に、特別プロジェクトチームが発足された。

私をリーダーとして、同期の加藤さん含む数名の人員が配置されたのだが――。

「私がリーダーだなんて……もっとみんなに反対されると思ったよ」

私より上の役職の社員も私の下に就くことになってしまったのだ、例えば加藤さんなんて、同期ではあるけれど私より先に出世したから『主任』クラスである。

どうして格下の言うことなんて聞かなきゃいけないの、そんな不満が続出すると思っていたのだが。

「ここ一年の咲島さんの頑張りを見てたら、誰も文句なんて言えないよ。神崎さんがいなくなったあとのドタバタを終結させたのって、全部咲島さんだったじゃん」

彼女がグーをコツンと私のお腹に当てる。
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