はつ恋【教師←生徒の恋バナ】
お腹、痛いなぁ…。



鎮痛剤飲んだら、楽になるのかもしれないけど…。



「薬ちょうだい。」



なんて、家で言えるわけない。



時間が経つにつれ、鉛でも入ってるように重くなっていく身体を引きずって、坂下が指定した指導室に向かった。



「優秀な桐生さんを、このような所へお呼び立てするのは心苦しいのですが…。」



坂下はそう前置きして、私を中に入れた。



説教部屋だから、もっと汚いかと思ってたのに意外と綺麗。



椅子に座ると、坂下は目の前にお弁当箱でも包んだようなものを置いた。



促されて包みを解くと、お弁当箱と鎮痛剤が1箱あらわれた。



何で、鎮痛剤…?



疑問に感じながらも、お弁当箱の蓋を開いた。



お赤飯だ…。



坂下の意図が解ったのと同時に、頭の上から声が降ってきた。



「おめでとう。」



って…。






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