だから何ですか?
絶対に俺の方が好きに落ち込んでいっていると思うのに、それを許さず自分の方が好きだと示してきて。
堂々巡りの果てしない片想い自慢の様な。
すれ違いの両想いな様な。
そんななのに歯車は変に噛み合ってクルクルと回って心地よい。
ああ、でも、なんで、
「亜豆、」
「はい、」
「何で・・・どうして俺を好きになったんだ?」
「・・・・・」
秘めていた好意を見せられるほどに歓喜もするけどその疑問も浮上していた。
だって、自分の中で然程特別な印象を残さない程亜豆との接触はなかった筈だ。
たまたま喫煙所で遭遇する秘書課の女。
そんな距離間でいた俺をどうしてここまで好きになったのか。
ようやく音にして響かせ答えを求めて見つめると、ほんの僅か口の端を上げた表情でジッと見つめていた姿がフッと笑みを強めると。
「何ででしょうね」
「えっ?」
「内緒です。それこそ・・・ゆっくり暴いていってください」
「亜豆?」
「知ってます?秘密があるからこそ女の子は魅力的に見える。・・・らしいです。受け売りですが」
クスクスっと楽し気に笑ってそんな事を言うと、スッと立ち上がる姿をただ静かに目で追って。
こちらが見上げる角度は新鮮だな。なんて事を思いながら遠くを見つめる亜豆の姿に見惚れながら息を吐いた。