だから何ですか?




そうして賑やかな街中を颯爽と歩きぬける亜豆のペースに足を合わせて、気がつけば向かう先にあるのはここからでもはっきりと見える大きな建造物。


もしかして、なんて丁度思ったタイミングにようやく振り返った亜豆が視界に収めていたそれを指さし笑んで、



「観覧車、乗りましょう。街中あそこまでイルミネーションで飾ってあったら見ごたえありますよ、きっと」



だから、そんな無邪気に笑ってくるなって。


ガキかよ。


そんな突っ込みを心でしてクスリと笑い目の前に迫った観覧車を見上げる。


ベイサイドと言うのか、デートスポットとしては定番も定番のその場所と乗り物と。


まさか亜豆がこういったシチュエーションに進んで持ち込むとは思ってもみず。



「観覧車って・・・これまた予想外にもベタだな」


「いいじゃないですか、ベタ。大人らしく気取ったデートは年齢的にこれからいつでもできるでしょう?こんなベッタベタの若ーいデートはつきあった日のテンションの高い2人くらいじゃないと許されないのかと思いまして」


「ははっ、確かにな。正直、・・・連れてこられなきゃこの選択肢はなかった」


「じゃあ、感謝してください」



自分のおかげだと笑って観覧車に乗り込む彼女の後を追って中に。



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