だから何ですか?





時間的に食事時飲み時のせいか割とすんなりと乗り込めた観覧車は独特の揺れを体に与えながらゆっくりと上昇していく。


ああ、でも・・・いいものだな。


懐かしくて、今更特別面白くもないと思っていたのに歳を重ねてから乗るとまた着眼点が変わって。


外も昼間ではなく夜。


亜豆が言ったように徐々に上昇する程に街中を彩っているイルミネーションがお世辞抜きに綺麗だと感じる。


案外インスピレーション受けそうな空間だななんて観覧車という乗り物を見直して、外に向けっぱなしだった視線を向かい合わせに座っている亜豆に戻した。


・・・戻したつもりだった。


けど・・・。



「何してるんだ?」


「写真撮ってました」


「いや、写真撮ってるのは分かるんだが、」



何でまた・・・・景色でなく観覧車内部の鉄骨?


向かい合わせの席に膝をついてこちらに背を向け、支柱と言える鉄骨を見上げる形でカメラを向けている亜豆の姿にはさすがに疑問に満ちて腰を浮かしてしまった。
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