だから何ですか?

















「へー、こっちもいいな」


「でしょう。でもこっちのもなかなかいい角度に、」



デジカメのフォルダーを2人で覗き込みながら歩くのは観覧車からの帰り。


すでに賑やかな街中は抜けていて、横を通る車も目的は家路に向かってばかりだろうか。


歩き抜ける道の傍に立つ建物はすでにマンションや戸建てやアパートやらが多い住宅地。


歩んでいる足が向かうのは亜豆の住んでいる部屋らしく、タクシーで寒さを凌ぐよりもゆっくりと話しながら帰りたいと気分もお互い同調しての今の時間。


話す内容も他愛のない物ばかりで、今は亜豆が趣味で撮った写真をデジカメで見てアレがいいコレがいいと盛り上がっていたような。



「お前、デザインもだけどセンスいいよな。クリエイティブにいないのが勿体ない」


「言ったでしょう?仕事じゃないから楽しんで出来て、楽しいと思うから出来がいいんです」


「まぁな。仕事になれば決まりや制限もあるし、純粋に楽しいままを通すのは難しいからな」



それはよく分かる。


俺だって楽しい中に我慢だって多くて、納得のいかない条件を嫌々のみ込まざるを得ない時だってある。

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