だから何ですか?




良くも悪くも亜豆ペースに絆された。


まだ肝心要な部分は未解明であるというのに最初に抱いた不安や焦りの感情は不在で、『どういう関係なんだ!』と声を荒げて追及する感覚も最早ない。


もう流れるままその答えを待ちましょうじゃないですかと言う感じに煙草を噴かし、壁に寄りかかって対話する感覚は屋上での時間に類似する。


そんな中ようやく笑いを収めた亜豆が滲ませた涙を指先で拭いながら、



「社長が前社長の養子であった事は知ってますよね?特別隠し事ではなく公の情報でしたし」


「ああ、そう言えばそうだったな」


「つまりは、その養子になる前に私の【おにいちゃん】であったというのか」


「・・・つまり、・・・同じ施設育ち・・・とか?」


「今度は正解です」



にっこり口元に弧を描いての肯定に悲観の様な物は微塵も映らない。


多分、その事実に特別感情的になる物がないらしい亜豆はいつも通りさらりと会話の流れを阻まず。


今現在までの通過点に過ぎないのだろう。


可もなく不可もなく、歓喜もなければ悲哀もなく過ごしてきたのだと今の在り方で納得するからか、そこに深く追求したい感覚も薄く言葉も挟まず続く言葉を聞き入れる。



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