だから何ですか?
「はっ・・んん__伊万里・・さ__」
余裕のない、拙い息継ぎ交じりの誘う様な声音と表情と、自分には好都合のそんな亜豆の無自覚をここぞとばかりに攻めこんで、口づけながら後退させた体をベッドに追いやったのは完全なる計算だ。
「ふぅあ・・んん__!?」
キスに応えるのが必死で他の意識なんてまるで皆無だったのだろう。
面白いくらいに自分の狙いのままに、ベッドに行きあたった衝撃で背後に倒れ込んでベッドに沈んだ亜豆の姿には口の端が上がってしまう。
倒れた直後の、本当に訳が分からない。と困惑に満ちたような驚愕の表情も。
そこに、今までのキスの名残である頬の赤味と涙目がプラスされているのだから興奮しない筈がない。
相変わらず自分の置かれている現状にまだ理解が及ばない感じに戸惑い目を揺らし、至近距離の俺を見つめ上げてくる姿には素直に煽られニッと口の端を上げて目を細める。
「い・・まりさん?えっと・・・あれ?」
「あんまり無自覚に煽るなって忠告してやっただろ?」
「っ!?あ、・・煽ってましたぁ!?」
「はい、もうがっちりと。これ以上ないって程に」
残念だったな。と心にもないそんな言葉を頭に、にっこりと微笑ましくない笑みを落として見つめれば引きつった中途半端な笑みのまま現状をどう打破すべきかと困惑に満ちている亜豆が俺の下に居る。