だから何ですか?
「・・・・約束、」
「あっ?」
「約束・・・って、期待しちゃうじゃないですか。ワクワクして、楽しみで楽しみで、」
「あ?・・ああ、うん、そういうモノ・・か」
「私、期待するのって慣れてないんですよ。むしろ、期待を学ぶ対象がいなかったから。誰かに期待をかけるより自己満足な方が未だに先走っちゃって」
「・・・・・」
「あ、黙るような悲壮感じみた話じゃないのでお気になさらず」
何気ない一言。
亜豆が補足したように多分重点はそこじゃないんだろう。
それでも・・・妙に納得してしまった瞬間でもある。
亜豆の自己満足の正体というのか、クリスマスの事にしても、それこそこの関係の始まりにしても。
何でどこまでも自己満足に浸って相手に見返りを求めないのか。
そうなんだ。
分かっていたのに深く理解していなかったんだな俺。
亜豆が施設育ちだった事、つまりは子供が当たり前に無条件に期待して見返りを求める両親が居なかったって事なんだ。
そこに悲愴なんて大層な感情を抱く気はない。
同情とかも違うと思う。
それでも本当にストンと納得がいって、亜豆という存在を改めて理解したような。
『好きです』
その始まりの言葉が今更ながら本質を理解して身に染みたような。