だから何ですか?
その無言の指示通りに彼女が保存を選択して、画面にそれが表示されるとゆっくり立ち上がって背伸びをする姿。
ヒールを履いていても自分が高身長であるから差があるなと今更思って後ろ姿を見下ろし、上着を脱いでいる事でいつも以上に明確な首のラインに無意識に見惚れる。
そんなやましいといえそうな意識を気付かせるのも彼女の声かけで。
「根詰めると疲れますね。コーヒーでも淹れましょうか?それとも・・・屋上で一服します?冬の夜風は尋常じゃなく寒いでしょうが」
「あ、じゃあコーヒーで、」
クスリと笑って振り返ってくる姿に一瞬は焦りを感じるも、提案された言葉に今回も救われ意識を逃す。
さすがに後者の提案は彼女の言ったように寒そうで乗り気になれない。
夜風に吹かれて煙草とか・・・。
そんな事を思った頭に不意によぎったのは海音との会話だ。
その記憶と今目の前を横切る彼女をシンクロさせるように目で追って、
「煙草・・・吸えなかったって?」
聞きかじった情報を音にして彼女へ問いかければ、コーヒーを取りに動いていた姿が背を向けたまま不動になり、一瞬の間の後にゆっくり振り返り怪訝な顔で見つめ返してくる。