だから何ですか?
「・・・それが・・・あったみたいです」
「・・・はっ?」
「一利。・・・・・吸ったから、今こうしてます」
「・・・・」
「大事で・・・尊い一利」
「っ・・・」
計算であって・・・・純粋。
なんて狡い生き物だろうと心底思う。
何てことありません。そんなような無表情で弾く言葉はどこまでも透き通って純度が高い。
この言葉にすら見返りを求めていないから、自己満足の感情であるからその表情に反応に羞恥も動揺も映さないのか。
乱されるのは俺ばかり。
そんな俺をいつだって放置して背を向ける亜豆は・・・狡い。
「・・・っ亜豆、」
「・・・・はい、」
背中を向けて、すでに意識切り替え目的のコーヒーを取りに行こうとでもしたのだろう。
そんな姿に手を伸ばし腕を掴むと自分の方へ軽く引き戻す。
当然振り返った姿は焦りも動揺もなく『何?』とばかりに疑問の表情を俺に向けて。
本当・・・何をしてるんだ、・・・何をしたいんだ俺。
引き止めたくせにそんな葛藤も僅かあって、ようやく浮上したのは、
「・・・気になってる」
「・・・・・はい、二度目ですがありがとうございます」
それがどうした。
ようやく弾いた言葉にも動揺もなく返されたのは冷静な謝礼。