だから何ですか?





息苦しそうに漏れる息遣いすらも拙くて愛らしい。


もっと苛め抜いたらどうなるのかなんてことも頭にチラついて仕方ない。


昨日まで嫌いだと嫌悪していた筈の俺なのに。



「___はっ・・・亜豆」


「__っ・・はっはっ・・はぁ・・」



ようやくまともに得た酸素だと、貪るように呼吸をする顔は化粧の上からでも赤いと分かる。


目は涙で潤んで眉尻は下がり、もう俺の虚像の亜豆は皆無。



「・・・その顔やめろ」


「そ、そんな事、」


「欲情する」


「っ____」



真顔で本気の警告を響かせれば面白い程ビクッと肩を跳ねさせ自分の口を両手で覆う亜豆の可愛い反応。


アホか。


そう言う反応の様が余計に煽られるって言うのに。


そんな煽りにまんまとハマって、キスの続きだとお構いなしに顔を寄せたけれど自主的には外れる気配のない手に阻まれて。


退けろと言わんばかりに自分の指先を絡め外してみるのに逃げる様に顔も動かされて余計に燃える。



「亜豆、」


「やっ、」


「顔、こっち向け」


「やっ・・待っ・・・」


「これ以上焦らすな」


「っ____」




どんなに抗おうが今は逃がす選択肢が浮かばない。

< 68 / 421 >

この作品をシェア

pagetop