だから何ですか?



半ば強引にこちらに向かせ一方的な欲求で唇を重ねて逃げられないように壁に体を押し付けて。


重ねることで欲求を発散させようと躍起なのに、その意に反して重ねる毎に増す欲求。


もっと欲しいと呼吸さえも貪り舌を絡めて、ずるずると崩れ落ちかける亜豆の体を崩れ逃がしはしないと支える様に抱きしめる。


それでもぴったりと重ねたままでおれず、とりあえず息継ぎだと唇を離せば空気に震える彼女の乱れた息遣い。


気がつけば乱れた髪が頬に張り付いて、微睡んだ表情で肩で息する姿はもう・・・



「・・・エロ。亜豆エロ」


「っ・・・私のせいっ!?こうさせたのは誰ですか!?」


「あ、ダメ。だから煽るな」


「っ!?い、今の言葉の何に煽られて、」


「言葉っつーか、亜豆の全部に今簡単に煽られるっていうか」


「私、そんな麻薬的なフェロモン噴出してません!」


「フハッ、」



本人からしたらかなり真面目に切り返した言葉なんだろう。


対面する表情は未だ真っ赤な泣き顔だけども必死さを伝えようとまっすぐに見つめ返して来ていて。


これがクールビューティーだと称された女の裏の顔。


・・・いや、本質。





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