だから何ですか?





「亜豆・・・」


「・・・は・・はい」


「その顔・・・特許」


「は、はいっ?」


「俺だけの特許申請中」


「・・・・・・・いやいやいや、表情はすでに私個人のも・・んん___」


「___っは、違う。それをこんな風に真正面から見ていいのも、・・・更に突き崩すのも・・・俺だけでいい」


「そんな、勝手な!んんっ____っはぁ、なっ・・・さっきから・・キス多___」



止められねぇんだよ。


むしろキスで留めてるだけ紳士だって思って欲しいくらいには欲情が滾ってる。


それを知ってか知らずかいちいちストライクすぎるほどの反応を見せてくる亜豆には困ったものだ。


その度に堪え切れないと口づけて、その度にまったく慣れずに乱される彼女の愛らしい事。


ハマるもハマる・・・。


うっかり踏み込んだぬかるみが思いのほか深くて。


片足が沈み、引き込まれたもう片方が沈み、どんどん底を知らずにその身が沈む。


最初こそ訳の分からないそれに戸惑って焦って憤って不安になって。


でも沈むほどにおかしな風に体が馴染み、心が馴染み、胸の位置までハマりこんだ時には・・・気持ちいいかもしれないなんて感情まで浮上。


もう、気になるなんて感情の範囲じゃない。



「好きだ___」


「___はっ・・はぁ・・・」


「亜豆の事・・・好きになった」


「はぁっ・・はっ・・・・あり・・がとう?」


「好き、」


「っ・・・・だから、何ですか?」


「だから・・・何なんだろうな、」



ただ、

好きって感情が決壊して溢れてるだけなんだ。



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