どうしたって期待したい!!
なんと厄介な恋路に燃え上がってしまった物なのか。
距離が縮むほど増す恋心は隠し場所に困って手に余ると言うのに。
そんな私の心中などお構いなしに、今日も彼は可愛い女子たちにモテまくる。
なぬっ…、なぬぬっ……!
目撃したそれは学内でも可愛いと評判の女の子が、往来の人の目もお構いなしに水城くんにお菓子を渡している場面だったり。
自分の愛らしさをよく分かった表情や口調。
衣服やメイクのセンスもよく消してやりすぎでないファッションは悔しくも可愛いと感じてしまう。
ああ、あの編み込みヘア可愛い。
どうやるんだろう?
いやいやいや、そうじゃなくて!水城くんに餌付けをするなコンチクショウ!!それは私の放課後の特権なのにぃぃぃ!!
なんて、独占欲丸出しに嫉妬をしてみても……虚しいな。
そもそも…嫉妬なんか出来る関係でもないし。
あの日からグンッとお互いの関係は距離を縮めたと思う。
今まで同じ空間に身を置くだけだった2人が今じゃ当然の様に席を隣にお茶を飲んでお菓子を食べて。
当然、色めいた進展なんてない。
私からそれを望んで行動する事も出来ない。
それでも隣で過ごして色気のない会話をするだけの時間がどれほど幸せでどれほど楽しい事か。
自分の淹れたお茶を、お菓子を飲んで食べて貰えるという信頼感がどれほどこちらの歓喜を擽ってくれるか。