どうしたって期待したい!!




それでも忘れるものかと鮮明に彼の頬の感触を覚えている唇の憎たらしい事。

それを思いだせばうっかり火照って耳まで赤くなってしまいそうで、

「……鈴原、耳まで真っ赤」

「ふぇっ!!?」

「部屋の暖房の温度少し下げておいてやればよかったな」

「っ………」

み、水城くんの指に頬撫でられたぁぁぁ!!!

ヤバいっ!!記念日っ!!

っとか……ほら、そう言う事思っちゃう段階でまだまだこの恋に自ら終止符を打つなんて事は出来ないのだ。

水城くんは……確かに特別面白い事をしてくれるわけじゃない。

女の子の好みに合わせて喜ばせようという意識は多分ない。

それでも自分の主観で良いものは良い悪いものは悪いと応えてくれる。

相手の機嫌を伺う様な接し方じゃないんだ。

どこまでも素のままでいる人。

それが………自分の機嫌を優先して甘やかしてくれる恋人がほしい人たちには合わないんだろうな。

勿論、それを非難するわけじゃなくて。

女の子はどうしても恋愛の中に多かれ少なかれそう言う甘さを求めてて。

私だって……そういう意識はあった。

好きな人には……我儘を言っても甘やかされて許されたいとか。


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