どうしたって期待したい!!
嘘だと思ってた。
そんな事ある筈ないって。
だって……水城くんが言い寄ってくる女の子には興味ないって……。
「本当……なんだ?……本当に約束したんだ?」
「まあ……したな」
「あの子と……つきあってるの?…つきあうの?」
「いや、つきあっては……」
「じゃあ……何でデートの約束なんかしたの?クリスマスにデートするのは期待持たせることにはならないの?」
「ちょっと……思う事あって」
「…………」
「………はあ、女の口は軽いな。鈴原には黙ってるつもりだったんだけど……」
はっ?
ちょっと待ってよ……。
何それ!?
さも面倒だと言いたげな口調の響きに、悲痛の重みにどんどんと下がっていた顔の向きが急上昇してしまった。
持ちあげた自分の顔は重力に逆らえなかった涙が頬を伝うわ、般若の様な顔だわ、もう感情のお祭り状態だったんだと思う。
だって、さすがの水城くんがそうとうぎょっとした顔で私を見てフリーズしたし。
今の私絶対に相当不っ細工!!
でもそんなの構うものか!!
「鈴は…」
「クリスマスデートおめでとうございまっす!精々乙女心の期待に反して盛大にフラれてぼやくことを願っててあげる!」
「っ……」
ドンっと押しつぶす勢いで彼の胸に押し付けたのは今日の分の彼への恋心(おかし)だ。
そして、多分最後のお菓子。
力任せに押し付けた袋の中身は完全に形を為していないだろう。
それこそ、それが今の私の恋心だと言わんばかりの状態にどこか満足しながら彼を一睨み。