愛してるからこそ手放す恋もある

12月に入り、夜の街はイルミネーションの華で色づき、社内の女性陣は浮き足立つ。
そして私への男性陣からのアプローチが加速する。

「佐伯さん頼む!1時間でも良いんだ」

「ごめんなさい…」

今日はこれで何人目だろう…

「佐伯さんの好きなシュークリーム買って来たんだけど?」

「ありがとうございます…でもクリスマスは予定つまってますから、無理ですよ?」

「やっぱりどうしても無理?」

「はい…折角のお話ですが、年内は無理です…ごめんなさい」

「仕方ないか…他当たってみるよ…」

「ごめんなさい…」

今年のクリスマスは早い時期から、いつもの年の倍以上の予約の問い合わせがあり、私がキープ出来る席がなくなってしまった。毎年御予約してくださるお客様にも、お断りしてる有り様なのだ。

「最近随分モテてる様だな!?」

背後から聞こえた声に振り返れば機嫌の悪そうなボスが立って居た。

「ボス…いつからそこに?」

「梨華を見かけて声かけようとしたが、良い雰囲気だったから、邪魔しちゃ悪いと思ってな!」




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