愛してるからこそ手放す恋もある
私が研修から帰って来て以来、ずっとお昼は社食で食べるようになった。なんでも、菱野専務になにやら忠告されたらしい。

「ボス、私お弁当作っても良いですよ?」

「いや、あまり梨華に無理させるなと言われてるからな?」

お弁当ぐらい大したこと無いけど…

「なら、何処か料亭のお弁当頼みましようか?」

「いや、良い。梨華の後輩の佐々木さんだっけ?彼女と話すのも面白いからな!」

そう、お昼は優華ちゃんと一緒に三人で食べてる。

「梨華先輩、今年のクリスマスは土曜日ですけど、お二人は勿論、デートですよね?」

優華ちゃんは、ボスと私がまだ婚約してると思ってる。歓迎会でボスが宣言して以来、会社のみんなも誤解したままなのだ。私もボスも訂正してないから仕方ないのだが…

「ううん。クリスマスはいつもの様に店の手伝いだよ?猫の手も借りたいくらいだからね!」

「梨華…クリスマスは家の手伝いなのか?」

「はい。毎年家の手伝いしてます。最近全然店の手伝い出来なかったので、今年のクリスマスはちょうど、会社も休みで良かったです。ボスはアメリカへ帰られますか?」

「いや、今年は日本にいる。一件どうしても手に入れたい難しい案件があってな?」

「えっ?仕事ですか?」

「あぁ、まぁそんなとこだ」

仕事ってなんだろう…
私聞いてない。

「クリスマスは恋人達のためにあるのに!」

「あれ?もしかして優華ちゃん彼氏出来た?」

「彼氏じゃなくて食友です!」と優華ちゃんは顔を紅くして言う。

へぇー食友ですか?
でもその顔は、ただの友達と違うって言ってますけど?




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