愛してるからこそ手放す恋もある
「さぁ早く帰って二人だけのクリスマスパーティーしようぜ!今夜こそは決めてやる!」
えっ!?
えっ?なにを?
互いの部屋に帰るとばかり思っていたが、私は小野田さんの部屋に連れ帰られてしまった。部屋の前まで行くと「梨華、目閉じろ」と言われる。
え?なぜ?
「俺が良いと言うまで目閉じてろよ?」
仕方なく目を閉じると、手を引かれ暫くすると「良いぞ!」と言われた。
「綺麗…」
目を開けると、リビング一面を揺らし照らすキャンドル、そして部屋の真ん中には大きなツリー。そこは別世界の様だった。
「ボスこれ…」
「大変だったんだからな!?半日で準備するの」
「ボスひとりで準備したんですか?」
「当たり前だろ!?いや、正直に言うと少し菱野夫婦にも手伝って貰った。でも少しだぞ!本当に少しだけだからな!?」
あまりにも必死に言う彼がなんだか可愛く見える。
「はい。ありがとうございます」
そして彼はポケットから出した小箱をプレゼントだといって私の掌に乗せた。
「そんな…プレゼントだなんて…頂けません!」
「良いから開けてみろ!」
中には青いハートの石の付いたリングが入っていた。
「サイズは合ってる筈だ。嵌めてみろ!…いや、俺が嵌める!」
「ちょっちょっと待ってください!」
「意味がわかんないんです!」
「はぁ?さっき言っただろ!?」
「え?何をですか?」
「好きだって!」
「いや、それはですね!」
冷徹な男と言われてる事に対してで…
彼は「もう黙れ!」と、有無を言わせず私の左手薬指に嵌めた。
「困ります!」
「梨華は俺が嫌いか?」
「………」
「好きか、嫌いか答えろ!」
「…好きです…でも」
「それなら問題ないだろ?それ外すなよ?」そう言って私の唇へキスを落とし、抱き抱えベットへはこんでくれる。
小野田さんのキスは頭の芯を痺れさせる。
「梨華…大丈夫?」
小野田さんの指先が私を触れる度に熱が体中を駆け巡る。
「力抜いてくれ…」
「んっ……あぁ……」
私の中で小野田さんが脈打つのがわかる。
小野田さんが顔を歪めた時、熱い何かが私の中に注ぎ込まれていく。
「大丈夫?」
何度も声をかけてくれる優しさが伝わる。
「梨華…」
頬を触る手が少し震えていた。
至近距離で混じり合う吐息が
今まで忘れていた他人の肌の温もり
意識が遠退くときに切なそうな声が聞こえた気がした。
「梨華…早く…俺を……」