愛してるからこそ手放す恋もある
退院して2週間した頃、再び入院が決まった。
今度は抗がん剤治療だ。
今回は個室の希望を母が出してくれていた。
個室は他のひとに気を使う事はないが、少し淋しい気もする。
看護師から抗がん剤治療について説明を受け、冊子を貰う。
抗がん剤治療の大きな副作用は吐き気、脱毛、脱力感と書いてある。
服装は締め付ける下着は良くないと書いてあった。

ブラってどうなんだろう…

「ノーブラってなんか心もとないって言うか…」

「ノーブラ結構やないかぁ?俺は好っきやでぇ?」

「誠に聞いてません!」

「なんや俺のためちゃうんかぁ?」

「ちゃいます!」

「そらざんねんや!」

「誠、アホなことゆぅてへんと、もういかなぁあかんとちゃいますか?」

入院に付き添ってくれた誠だったが、午後からはどうしても外せない会議があると言っていた。

「あぁほんまや、ほないくわ!」

「おきばりやす」

「梨華ずいぶん京都弁うまなったなぁ?」

「ほんと?」

嬉しい…

「この入院中に着物の事も勉強しようと思ってるんだ!何も知らないでは困るもんね?お店に出てもお客さんに笑われる」

「頼もしい奥さんやなぁ」




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