愛してるからこそ手放す恋もある

出発する前日、私は彼に我が儘を言った。

「梨華が仕事サボるなんて珍しいな?」

「すいません…」

「いや、まぁ明日帰る俺に仕事と言うほどの仕事もないし、俺達デートらしいデートもしてないからな?じゃ、デートしようか?」

朝食を済ませると、手を繋いで街を歩き、映画を観たり、ごく普通の恋人達の様に楽しんだ。

「梨華、指輪は?」

「あつ!今朝、顔洗ったときに外して部屋に置いて来ちゃいました。すいません…」

「ちゃんと嵌めとけよ?俺の者って記しなんだからな!?」

記し…

「ボス、お土産はどうします?」

「梨華、いい加減ボスって言うのやめろよ!二人っきりの時は浩司って呼べって言ってるだろ?」

「すいませんつい癖で…」

「まぁ仕方ないか?じゃ、土産はボブのところだけには買っていくか?梨華選んでくれる?」

小野田さんのボスであるボブさんには浅草で日本らしい物を買い求め、奥さんは日本人と言うことで、鰹節と焼き海苔を買うことにした。

そしてボスは絶対忘れると怒られるといって、大型商業施設内にある、ペットショップへと向かった。

「ボスはペットがお好きですか?」

「ああ、好きだな。なかでも大型犬が好きかな?」

そう言って、大型犬用の綱のおもちゃを楽しそうに選んでいた。

ボスが大型犬が好きだなんて初めて知った。
私にはボスの知らないことが沢山ある。
でもこれ以上私が知ることは無いだろう…

「他の方にお土産は?」

「特に良いかな?」

キャサリンさんには?
私が居ては買いづらい?




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