愛してるからこそ手放す恋もある

彼が「日本最後の夜だから外で食べてゆっくりして帰ろう」と言った。
食事を済ませると、ホテルのバーで少し飲み、酔いを冷ましがてら夜の街を二人で歩いた。

「夜の街を二人で歩くの2回目だな?」

「そうですね?」

「向こうへ言ったら沢山デートしような?」

「………」

「よし!今夜は朝まで梨華を抱くぞ!」

マンションへ帰ると、互いの愛を確かめるように抱き合った。

「梨華…愛してる。梨華…」

彼の愛は誰でもない私だけに注がれている。
今だけは…
私一人だけに
それだけで良い
あなたから貰った優しさを胸に
この先泣くことも有るだろうが
きっと生きていける。

「梨華…どうした泣いてる?」
彼の問に答えず、彼の愛を、熱を奪うようにキスをした。

「梨華…不安なことがあるなら話してくれ?」

「不安なんて無いです。ひとは悲しい時だけじゃなくて、嬉しい時でも涙するんですよ?」





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