愛してるからこそ手放す恋もある
私は駆けつけた救急隊に倒れたときの様子を話、意識の全くない小野田さんと一緒に救急車へ乗った。
お願い。死なないで…
病院について間もなくして、菱野部長は女性を同伴し、来てくれた。
「菱野部長、すいません。私がついていながら…こんなことになって小野田さんにもしもの事があったら…私どうしたら…」涙を流し頭を下げる私に、菱野部長は「君のせいじゃない」と言ってくれる。
でも、一緒に居て、小野田さんがみるみる痩せ、顔色が悪くなっていく事は分かっていた。分かっていたなら何らかの手は打てた筈だ。でも、私にはなにも出来なかった。
菱野部長の慰めにすら、自分の愚かさを言い渡された気がして涙が溢れる。