大好きな彼は超能天気ボーイ
功と二人、ベッドに入る。


でも功はこちらに背を向けて私に大きな壁を作る。


「…ねえ、
何で梨乃の方向いてくれないの?」



「ん?何で向かなくちゃいけないの?」


何でって…


「寂しいじゃん。もっと側にいてよ。」


その
大きな背中を指でツンツンと突いてみる。


「やっぱ無理。
我慢できない…。梨乃、こっちおいで。」


やっとこちらを向いた功は、長い腕を寝たまんま広げる。



「え?」


「ほら、お い で。」


「うん!」


功のハグ!功のハグだ!

私の大好きな広い胸で寝れるなんて、なんて幸せなんだろう。


功は私を優しく抱きしめてくれる。


「煽んないでって言ったのに。
これだから、梨乃の事になると許しちゃうんだよ。」


「わ、わがまま言って…ごめんなさい…、」


「んーん。僕もこうしてたいし。
梨乃、好きだよ。」



「功…私も、好き。」


そして私は、重い瞼を閉じた。


功が理性というものと奮闘していた事も、

私の頭をずっと撫でていた事も、

寝る前に優しくキスしたのも知らずに。
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