オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「あんたに聞きたいことが3つある」


そういうと、目の前でドカリと籐堂さんはあぐらをかいた。

腕を組んで凄む姿が、サマになりすぎてて……

超ぉ~コワイ!!

しかも、居間で二人っきり……

コレ…

なんの取り調べですか!?


「あんた……神崎ってオトコ知ってるか?」

「……?」


……誰、ソレ?

ワケがわからず、籐堂さんの顔を見たまま固まってると、無精ひげが伸びてるのに気づいた。

よく見ると昨日と同じ服装だ。

ユリさんに叩き出されたあと、どこでどうしてたんだろう。

泊まる所、なかったのかな?


「…菅原は?菅原成久」


なんだか気になってしょうがない。

ユリさんも……

昨日、追い出したあと、心配そうにしてた。


“花美のせいじゃないよ”

…って、言ってくれたけど、それでも、やっぱり私がここにいなかったら、こんなことにはなってなかったと思うんだ。


「オイッ!」


どうしよう……

やっぱり、私のせいだよね……


「おいっ!!聞いてんのか?」

「……って、え?」


――しまった……

つい、考え込んじゃって全然聞いてなかった。

籐堂さんの顔が、みるみる引きつっていく。



「知ってんのか知らねえのか、ハッキリしろおっっ!!!!」

「しっ…!!…『知らねえ』ですぅううっ!!」


いきなり立ち上がって怒鳴るもんだから、

ゴッ!!

恐怖に思わずのけぞって、後ろの塗り壁に後頭部を強打した。


「…!!…ぅぉおああっ…痛たた…」

「マジで、知らねえんだなっ!!」

「…はぁぃい…」

「騙しやがったら、沈めんぞ!」

「しっ…知らないっですぅう!!」

「……そうか!!」


ドサッ!!


また、あぐらをかいて座り込むと、藤堂さんがスマホを取り出す。


「ほらっ!これ、あんただろ!!」


目の前に突き出された携帯の画面には、


「ひゃぁああっ!!」


ゴンっ!!


今度は、驚きのあまり仰け反って、また、同じところを壁にぶつけた。

でも、痛がってる場合じゃぁ……ないっ!!

慌ててもう一度、藤堂さんが差し出したスマホの画面を覗き込むと、胸元のキスマークがバッチリ写った、どうみてもエロ画像。

谷間がっ……

しかも、何で上目遣いの、

おねだり目線……


「ぁああわわわわっ、私だぁああっ!!」

「コレ、3日前から出回ってんぞ」

「なななな……なんでぇええっ!?」
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