オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「ユリさんの彼氏なのに、私がそんなコトするわけないでしょおおおおっ!!バカにすんな!!」

「オンナの友情なんて薄情なもんだ。あのまま流されるヤツ結構いるぜ?……って、オイ睨むなよ。謝っただろ!」

「な~あに、考えてんですかぁあっっ!ユリさんに悪いとか思わないのっ!?籐堂さんだって、一緒じゃん!浮気じゃん!!」

「友達のオトコ寝取るようなオンナに勃つわけねえだろ。ま、指でイかせて、オシマイだな」

「ゆ……ゆび、……さ……さっ」


――最っ低っ!!



ソレの一体どこが、浮気じゃないっていうんだろ。

籐堂さんが、他のオンナと一緒にいるってこと自体が、ユリさん、傷つけてるって、


――わっかんないかなぁああ~!?


藤堂さんは、そんなこと、まるで関係ないように飄々とタバコをすってる。

遥か斜め上をいく事実と、加速するショックに、言葉を失う。


「オトコだろうがオンナだろうが、親友だろうが何だろうが、俺はユリを悲しませるヤツは許さねえ」


――なにを、偉っそ~に……


自分勝手なオトコの持論なんか持ち出しちゃって、

一番、悲しませてんの、籐堂さんじゃん!?

オンナゴコロ、全っ然わかってないじゃん!!

……と、まあ、心の中で叫ぶケド、だって、もう、呆れて言葉が出てこない。


「まあ、ユリのマジ友を見捨てるわけにはいかねえ。助けてやるよ」


ユリさんのことを、一番に考える、籐堂さんの、そおいうトコロは悪くナイとは思うんだけど……


「ユリがバイトに行ってる間にもう一度くる。暗くなったら送ってってやっから、俺が来たこと言うんじゃねぇぞ?」

「え?…ユリさんに会っていかないんデスか!?」

「二度と来んなっていったのはあいつだ」

「来てるくせに!」

「ユリに会いにきたんじゃねぇ!あんたに用があったんだよ!!」


大人げない!


なんか……

なんかっ!

さっき怖い目にあわされた、私怨も相まって、


――怒りがっ!


こう、湧き上がってくるっていうか!!


玄関ドアに手をかけ、出て行こうとする籐堂さんの背中に向かって、

なんか、オンナとして、一矢報いてやりたくなった。

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