オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
<side佐々>
「お帰り~!伊都!!」
数日ぶりに自宅に戻ると、怒るどころか、珍しく母親が出迎えに来た。
夜中の2時だってのに……
超、笑顔。
キョロキョロ……と、俺の周りを見回し始める。
「なんだよ」
「花美ちゃんは?ねえねえ、一緒じゃないの?」
「…あのなぁ……」
健全な高校生の男女が、数日も一緒に過してるほうが、普通心配じゃねぇの?
ふと見ると、母さんの指にピンクのミュールがユラユラ揺れてる。
「あ、コレね、花美ちゃんに似合いそうだな~って?」
部屋に入ると、さらにアタマが痛くなった。
狭くもないオレの部屋半分くらいが、プレゼントの山。
ワンピースだとか、花だとか、パンプスだとか……
何が入ってんだかわかんねぇ箱も、とにかく多い!
「全部花美ちゃんにってワケじゃぁないのよ?伊都の分もあるって!」
言うわりに、パッと見、オトコ物は一個もない。
花美がいなくなったことを母さんは知らない。
オレの顔を見るたび、
“今度はいつ来る?”だの、
“元気にしてる?”だの、
うるさくて堪んねぇ……
花美がウチでぶっ倒れたとき、あんなに取り乱した母さんを初めて見た。
もともと姉御肌で度胸もいい。
そりゃ、人並みに悲しそうな顔ぐらいはするけど、オレが問題起こして警察沙汰になったときだって、基本、鉄拳制裁だし?
あんなに真っ青になって、泣き叫ぶようなことはなかった。
だから、今まで気になってて、聞けなかったことを聞いてみる。
「なあ、なんでそんな花美のこと気に入ってんの?」
「花美ちゃんのこと、ちゃんと守ってあげなさいよ?伊都」
ゴソゴソと、持っていたミュールを箱ん中に片付けながら、何気なく言う。
――軽く流してんじゃねえよ。
「はあ…、答えになってねえ……」
「私はあんたを信用してる」
「……」
手を止めて、今度は真顔でオレに向き直る。
「お帰り~!伊都!!」
数日ぶりに自宅に戻ると、怒るどころか、珍しく母親が出迎えに来た。
夜中の2時だってのに……
超、笑顔。
キョロキョロ……と、俺の周りを見回し始める。
「なんだよ」
「花美ちゃんは?ねえねえ、一緒じゃないの?」
「…あのなぁ……」
健全な高校生の男女が、数日も一緒に過してるほうが、普通心配じゃねぇの?
ふと見ると、母さんの指にピンクのミュールがユラユラ揺れてる。
「あ、コレね、花美ちゃんに似合いそうだな~って?」
部屋に入ると、さらにアタマが痛くなった。
狭くもないオレの部屋半分くらいが、プレゼントの山。
ワンピースだとか、花だとか、パンプスだとか……
何が入ってんだかわかんねぇ箱も、とにかく多い!
「全部花美ちゃんにってワケじゃぁないのよ?伊都の分もあるって!」
言うわりに、パッと見、オトコ物は一個もない。
花美がいなくなったことを母さんは知らない。
オレの顔を見るたび、
“今度はいつ来る?”だの、
“元気にしてる?”だの、
うるさくて堪んねぇ……
花美がウチでぶっ倒れたとき、あんなに取り乱した母さんを初めて見た。
もともと姉御肌で度胸もいい。
そりゃ、人並みに悲しそうな顔ぐらいはするけど、オレが問題起こして警察沙汰になったときだって、基本、鉄拳制裁だし?
あんなに真っ青になって、泣き叫ぶようなことはなかった。
だから、今まで気になってて、聞けなかったことを聞いてみる。
「なあ、なんでそんな花美のこと気に入ってんの?」
「花美ちゃんのこと、ちゃんと守ってあげなさいよ?伊都」
ゴソゴソと、持っていたミュールを箱ん中に片付けながら、何気なく言う。
――軽く流してんじゃねえよ。
「はあ…、答えになってねえ……」
「私はあんたを信用してる」
「……」
手を止めて、今度は真顔でオレに向き直る。