オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
<side 花美>


「おかえり!ユリさん!!今日、籐堂さん来たよっ!!」


籐堂さんには、

『送ってってやるから、ユリには言うな!』

って、言われてたけど、

送ってもらう気なんか、全っ然ないもん。

しゃべったっていいよね!!


制服姿のユリさんが、呆然と玄関先に立ってる。

額に汗をキラキラさせて、走ってきたのかな?

息も上がってて、一言目がなかなか出ないみたい。


「…はぁ、はあっ…知ってる。下にハーレー停まってたから…って、何があったの!?籐堂は?どっ…、どおしたのよおっ!?そのカッコおおっ!!」

「あはははっ!!コレ?」


鏡がないから、体をひねらせたり腕を回したりして、改めて自分の格好を見えるトコだけ見直してみる。

確かに泥だらけ。

Tシャツの首なんか引っ張られたせいか伸びちゃってるし、どっかに引っ掛けたかな?

ショーパンも、ところどころ破れちゃってる。


「……ごめんね、ユリさんに借りてる服なのに……」

「そ、そんなことじゃなくて……髪もボサボサだし、手も足も擦り傷だらけじゃん!あああっ!なにやってんのよ!顔にもっ!?」


言うが早いが、ユリさんに腕をつかまれて、バスルームに放り込まれた。

いちいち消毒するより、全部洗ってから処置したほうが早いらしい。

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