オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
無理やり、佐々くんのほうを向かされる。
それなのに、深く、うなだれるように俯いた、佐々くんの顔は見えない。
でも……
「オレにしろよっ、花美っ……オレにしとけっ!!」
「……」
「絶対にひとりになんかしないからっ……!!」
怒鳴られてるのに、全然怖くなんかなくて……
まるで、やさしくなだめられてるみたい…
「抱きしめて……、離さないっ…ずっと……」
ずっと……
「……オレがっ、ずっと、……そばにいてやるからっ……!!」
それは、誰かに言って欲しかった言葉。
だれも、してくれなかった約束。
こんなに大好きになった人に、
言ってもらえるなんて思ってもみなかった。
――ああ、もうダメだ……
「これが最後だ!言えっ!!お前の本当の気持ちをっ…!」
決して嘘は赦さないと、真っ直ぐ訴えるその慧眼に、
そして、
なによりも、もう、
自分を偽ることを、私自身が許してくれない……
「言えっ!!…花美っ!!」
――…き……
「…佐々くんが…、好き……」
一瞬のようで、永遠だろう、この告白に、
息を飲む音が、かすかに聞こえて…
佐々くんが、…笑った。
「……やった…、やっと、捕まえた…」
――花美…
息が詰まるくらい強く、佐々くんが私を抱きしめる。
自分の気持ちにウソつくたびに、
作り笑いをするたびに、バラバラになっていったココロとカラダが、
佐々くんの腕の中で一つになっていく……
「……佐々くん」
「……花美……力抜け」
私は、言うことを聞かない腕をなんとか伸ばし、
欲情にぐちゃぐちゃになりながら、
目の前の彼にしがみつく。
ぎゅぅう……
――佐々くん……
加速する劣情の赴くままに、
カラダが重なる。