オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「はあ!?…下にいるって、マジかよ……」


ふいに聞こえてきた、佐々くんの声で目を覚ました。

あの後、また眠ちゃったみたい。


――今、何時なんだろ?


まだ、カラダがほんのりと熱く、気だるい。

佐々くんに抱かれた余韻。

くしゃくしゃのシーツにくるまったまま、はっきりしない頭をもたげると、

ベッドから起き上がったばかりの佐々くんが、誰かと電話で話してる姿が目に写った。


――相変わらず、キレイ……


窓から差し込むお日様の光の中に、上半身ハダカの佐々くんが佇んでる。

クシャリ…と、乱れた髪をかき上げながら、

そのまま眉間にしわを寄せて、

おもむろに何かを考え込む。


――…?


寝ぼけたまま、特に何にも考えずに、ぼんやり見つめてると、


「…花美、いまから準備できる?」


佐々くんは、私が見てたこと、気づいてたみたい。

少し困ったような、でも優しい笑顔で私に視線を落とした。


「…ごめんな…?」


“ごめん”?


「ロビーにいるらしい……、自分の母親ながら、マジ信じらんねぇわ……」


その言葉に、息が止まる。


「……へ?」


『ごめん』って、なにが?

『準備』って……、『ロビーにいる』って……


勢いよく目が覚めていく。


誰がっ!?

佐々くんのお母サマがっ!?

ウソっ!!!!


「……ひ、ひゃぁああああ~~っ!?」


驚いてる私のコトなんかお構いなしに、佐々くんは勢いよく立ち上がると、

さっさと身支度を始める。


「ま、優柔不断な花美にはちょうどいいんじゃね?」

「あ、あわわわわぁああっ……」

「言っとくけど、一緒にいるってバレてるからな?覚悟決めな、花美」


まるで、他人事のように、楽しそうに笑った。


――ヒドイ!!


全然、笑うトコロじゃないよ!!
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