オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

嫁どころか、付き合ってもいないことを説明すると、

お母サマは怪訝な顔をしながらも、一応、納得してくれたみたい。

佐々くんのコト、メチャクチャ罵ってたケド……


「ッチ…あのバカ息子。手際がいいんだか悪いんだか…、順番が違うってのっ」

「……」


――逃げ出したい……


順番…って、

つまり、付き合ってもいないのに、そおいうコトしたって、言われてるんだよね?

真っ赤になって、後部シートの隅っこで小さくなってると、

お母サマがジィ…っと、私のほうを見た。


「それに花美ちゃん制服じゃないの…、あのオトコは好きなオンナの子に、服もまともに贈れないのか!」


その後、いろんなショップに連れて行かれた。

お店に入るなり有無を言わさず制服を脱がされると、運ばれてくる服を次から次へと試着する。

今、着ているのは、白のオフショルダーのブラウスに濃紺のミニスカート。


――わあ、この服カワイイ…


「なんてカワイイの!!コレ、着て帰ろうね!合うパンプス持ってきて!」

「ま、待ってください、私こんな高い服…」

「それに、試着した服、ええ~と、ここからここまで、もらうわ!」


そう言いながら、私の後ろ髪を首元にふんわりとかけると、お母サマは店員さんと一緒にパンプスを選びに行ってしまった。

1人取り残されたフィッティングルーム。

そこの鏡に映る自分を振り返ると、揺れた髪の間から見える、首元の淡い赤…


――キスマーク……


「うわっあ!!」


慌てて髪で押さえ、隠した。

スキな人の母親にキスマーク見られちゃうなんて…

やだぁ、もう……

恥ずかしすぎて、消えてしまいたい。


お母サマは持ってきたパンプスを私の足に合わせながら、そんなコト気づいていないフリして微笑んでくれる。

そのあたたかさに、戸惑う。

どおして、私に、こんなに良くしてくれるんだろう…?


「う~ん、ピンとこないわねぇ…、やっぱりパンプスはさっきの店で買う?種類もいろいろあったし。どうする?花美ちゃん」


――なんだかママとお買いものしてるみたい……


ふと、そんなことを思った。


『花美、さっきの店に戻っていい?さっきのワンピ、やっぱ買っとこうよ』

『戻るのお?しょうがないなぁ~』


今はもう戻らない、あのころを想いだす。

泣きそうなのを堪えて、笑顔でうなずいた。


「うん」

「じゃあ、その店に戻ったあと、もう1件だけ付き合ってもらっていい?そこで、ご飯にしようね」


幸せだった日の、続きみたい。
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