オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「そもそも、アサヒさんはうちのお姫サマだったんだよ。それを新(アラタ)の奴が、無理やり自分とこのチームの姫にしちゃったんだなぁ…コレがまたやり方が乱暴でさ…」


あっという間にパスタを食べきった司さんは、カウンターで食後のコーヒーを淹れながらしみじみと話す。


「うちの族、ぶっ潰して、かっさらいやがった。いやぁ~、敵ながらカッコよかったね」


――パパってば……


いつものあの態度と口調からして、真面目な部類に入るヒトだとは思っていなかったけど、

そこまでメチャクチャだったとは……

口の中のパスタを飲み込むのを忘れて、唖然としてしまった。

パパは暴走族で一番偉い人…、えっと、“アタマ”って言うの?それだったみたい。

まあ、あるイミ納得できる。

パパが人の下で何かやってるイメージ、まるでないもん。


「まあ、潰れて当然の、腐った族だったからイイのよ」

「…ディアナ」


お母サマは、司さんと同じ暴走族のレディースっていうオンナの子ばっかのチームで、特攻なんとかってのをしてたんだって。

『若気の至りよ』と、眉間にしわを寄せながら、口重に話すお母サマは、あんまりその話題には触れたくなさそうだった。

さっさと、ママとパパの話題に戻す。


「アサヒちゃん…、えぇと、花美ちゃんのママはね?…新のことキライっていうか、イヤだったのよ」

「……?」

「新が自分のせいでムチャするのがイヤだったの。だから、嫌いなフリしてただけなんだな、これが。“新に何かあったらどうしよう”って言ってるの、イヤってほど聞いたもの」


心配性のママらしい。

私がちょっと転んだけで、大騒ぎしてた姿を思いだす。


「待て待て、姫に手ぇ出そうとしたんだぞ?そりゃ、うちとしては牽制ぐらいするだろ。新だってわかってたはずだ」

「だからって、毎回暴力沙汰なんて頭おかしいんじゃないの?あんた達オトコ共がそんなだから、アサヒちゃんが素直になれなかったんじゃないの。ねえ?花美ちゃん」

「バカ言えっ!アサヒさんもアラタも結局付き合うくらいなら、最初からそうしてほしかったね!オレとしてはっ!」


司さんはよほど納得いかないんだろう。

カウンターから身を乗り出して、お母サマと私に向かって、さらに吠えた。


「大体なぁ、アラタの奴、うちだけじゃなく、どさくさに紛れて気に入らねぇ族を2、3コ再起不能にしやがったんだぞ?警察も法律も手の内で転がして、思い出してもゾッとするわ!」

「パパ、頭いいから」

「花美チャンなぁ、ありゃ頭がいいとかそんなんじゃぁないんだよ?人としておかしいレベルなんだよ!」

「あはは…」
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