オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)

「…どおしたんデスか?2人とも…」

「それは、こっちのセリフよ、いきなり黙り込んで動かなくなりんだもん。大丈夫?花美ちゃん」

「なんか、いきなり眠くなっちゃったの。ごめんなさい。大丈夫!」


私は安心させるように笑ってみせる。

なのに、2人は全く笑ってくれない。

それどころか、司さんなんか、さらに険しい顔になっちゃった。

私を見据えたまま、確かめるように呟く。


「目は…、アラタに似てるんだな…」


何のことだかわからなくて首を傾げた。

だって、ママにそっくりだとはよく言われたし、自分でもそう思う。

でも、パパに似てるなんて言われたのは、私が知る限り初めてだ。


「…なに、企んでる?花美ちゃん」

「……なんの、コトですか?」


だって、本当に企んでなんかない。

ただ、決心しただけ。

司さんはしばらく黙りこんでから、軽くため息をつくと、食後の煙草に火をつけた。


「真壁(マカベ)さんから、アサヒさんを奪いに来たときの、アラタと同じ目をしてる……」


――真壁……?


その発言にお母サマの表情が揺れる。

同時に司さんが失言したとばかりに表情を引きつらせたのを見て、

これ以上の説明はないだろうと、私はすぐに諦めた。

ただ、“ママを奪いに”ってことは、その真壁さんって人は、ママがお姫様をしていた暴走族の“アタマ”ってことなのかな。


――聞きたいことは、まだいろいろあるケド……


パパたちの過去に何があったかはわからない。

でも、お母サマと司さんは、話せない過去を避けながら、それでも私のために伝えられる精一杯を話してくれた。

いまは、もう、それだけで十分だ。


窓の外は、いつの間にか日が傾き、夕方に移ろうとしている。

帰り道、お母サマは駅に着くまでずっと浮かない顔で、ため息ばかりついていた。


「あ~…大失敗…、寝てた小トラを起しちゃったかぁ……」

「……?」

「アサヒちゃんも結局のところトラだったんだよね。あんなカワイイ顔して、おとなしくしてるようなタマじゃなかったんだよ…」


謎の言葉とともに、お母サマは私を、きぃッ…とにらむと、


「絶ぇ~対に、危ないコトしちゃダメだからね!!いい?約束だからね!」


私が何かをしでかすことを前提に、念を押した。
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