オオカミ回路 ♥️ うさぎスイッチ(処体験ガール再編集)
「話すのは俺じゃなくて優華ちゃんだぜ?」
「このオンナの機嫌とれってのか?冗談じゃねぇよ」
何考えてんだ、成久のヤツ。
花美のことで話があるからって来てみれば、なんで優華がいるんだ。
こいつと話すことなんかねぇっつの。
「花美を返しなさいっ!」
「ああっ?なんでお前に命令されなきゃなんねんだよ」
「あの子を返しなさいって言ってるのよ!!」
「うるっせえなっ!」
ガチャンッ!!!!
テーブルの足を蹴った。
その反動で中身をぶちまけながら、コーヒーカップが床に落ちて、無残に砕ける。
オンナを怒鳴るのはコイツで2人目。
でも、その原因はどっちも、たった一人のオンナのためだ……
――花美……
寂しさを埋めるように置かれた、無数のぬいぐるみ。
両親が事故に合った日のままのリビング。
花美が…、死ぬほど辛かった時に何もしなかった剣菱が、
「今さらどのツラ下げて、アイツを呼び戻すってんだ!?調子イイこと言ってんじゃねぇぞっ!」
「佐々山が剣菱のやることに口挿もうっていうの?ずいぶんとご立派じゃない」
「ハ…ッ!なにが剣菱だっ」
剣菱優香を見据えながら、
いつも、どこか自信のなさが見え隠れする、花美の甘い口調を思い出して、
愛しくて……
その分、目の前のオンナに、怒りが込み上げてきた。
「剣菱の財政ってのは、どこの成金だかわかんねぇ奴と縁組しなくちゃなんねぇほど悪りいんだ?」
「……っ!」
たとえそれが公然の事実でも、剣菱に向かって面と向かって言う奴なんかいねぇ。
“腐っても鯛”
ジジイが言ってたな。
『元来上等なもんはな、伊都。腐ってもその品格を失わねぇもんだ』
剣菱の世話んなった家は多いし、尊敬だってされてる。
ジジイだって、口では何言ってても、どっか剣菱には甘いトコがある。
でも……
「余計な世話よ。あんたは私の質問に答えればいいの」
オレは許せねえ。
こいつらの、
花美にしてる事だけは、絶対に許せねぇっ!
『剣菱の姫に縁談話があがっとる』
何が品格だ!
体のイイ、身売りだろっ!!
「ふざけんじゃねぇぞっ!!」
「あんた達にっ…!剣菱の何がわかるっ!!」
ガタッ…ガッ!!ガシャンッッ…!!!!
凄まじい破壊音とともに、目の前のテーブルが真横に吹っ飛んだ。