嘘つきお嬢様は、愛を希う
「──あくまで俺の予測だが」
パタン、とノートパソコンの蓋を閉めて眼鏡を押し上げた櫂さんは、その奥にある鋭い目付きで奴らを見据えながら口を開いた。
「華鋼のアジトの構造的に考えても、こいつらはただの足止め要員だ。桐乃がどこにいるか予測がつかない今、ここでこちらの数を失うわけにはいかないぞ」
「そりゃそうよねえ。わざわざきりのんを人質にとってるんだもの。本戦力は、きりのんがいるであろう本拠地あたりに固めてるでしょうね」
いかにも面倒臭そうに瀬良が肩をすくめる。
「てことで、ここは潔く野良猫たちに指揮を任せたらいいんじゃないかしら?」
「そうだね。少し心配ではあるけど……」
幹部を含めたこの数の敵をガキどもに任せる、か。