嘘つきお嬢様は、愛を希う
「しょせん暴走族だ。ボクは元来、あっちの人間だからね。ガキどもの喧嘩になんて興味はないよ」
「……だったらなんで総長なんかやってやがる」
「暇つぶしさ。言っただろう? ボクは君たちが絶望する顔が見たいんだ。……君たちが本気で潰しにくれば華鋼に勝機はない。そんなこと、はじめから分かっている事だしね」
心の底から胡蝶蘭を嫌っている。
それが言葉の節々から強く伝わってきて、より一層この男のイカレ具合がよく分かる。
そう……こいつはわざと俺たちを誘い出したんだろう。
俺たちの目の前で、俺たちの大事なものを壊すために。