嘘つきお嬢様は、愛を希う
「まあまあ、理月は置いといて」
収拾がつかなくなってきた場を取りなすように、瀬良さんが私の元へ近づいてきた。
メイクのおかげもあってか本当に女の人みたいだけど、その体躯は間違いなく男の人。
妙な色気をはらんだ不思議なオーラも相まって、目の前に立たれると異様な圧がある。
けれど、たじろぐ私を気にもとめずに、次の瞬間瀬良さんは後ろからぎゅうっと抱きしめてきた。
「今の話をまとめると、桐乃ちゃんはしばらくここにいるってことでいいのかしらね?」
「え、でも」
「心配しなくても部屋は余ってるわ。男の館とはいえアタシがいるから大丈夫よっ☆」
それ一番安心できないんだけど……。
だって、今のこの状況がすでに危うい。
もしかして私は、小さな子どもか小動物かなんかだと思われているのだろうか。
手を出さないどころか、出されまくってるんだけど。
抜け出そうと身をよじるけれど、びくともしない瀬良さんの腕に私は密かに雅さんを恨んだ。