暴君と魔女
「・・・こうして・・・、望様にまたお会いできて、・・・・この子を見せる事が出来て良かった」
「・・・・」
「・・・・・望様がこの子を認め、愛して下さる事が分かって嬉しかったです」
「・・・・・まるで、・・・・終わりの言葉だな」
「・・・・だって・・・理解したでしょう?」
それが必然であるかのように精一杯の頬笑みを返す四季をまっすぐに見降ろす。
そうして俺の胸を押し返しゆっくりと離れようとする姿を咄嗟に引き戻し、驚き見上げた顔を覗き込んでその眼を射抜く様に見つめた。
「・・・・誰が、・・・離れると言った?」
「・・・・・望様?」
「・・・・悪いが、俺はもうお前を手放す気はない。その子もお前がそれを認めた以上俺の子である事に間違いはない」
はっきり言いきった言葉に予想外だと四季の目が驚きに染まる。
何かを言いだそうと唇は動くのに、上手く言葉がまとまらないのか音は出ない。
そんな四季を軽く笑うと腕に抱かれている子供の頬に軽く触れた。
初めて・・・・自分の子供に触れた瞬間。
父親になったのだと実感する。
言い様のない胸の熱さに目が細まる。
「・・・・俺も不安だ」
「・・・望様?」
「・・・・・あの重みは・・・俺が嫌ってほど知っている。苦しくて痛くて辛くて・・・・正直、自分の子にそれを背負わせたくない」
四季の思いに同調できる。
我が子が愛おしいからこそあの重圧は与えたくないと。
だけどな・・・。
「・・・・俺には無かった物をこの子は得て大きくなるんだろ?」
「・・・・」
「だから・・・俺より遥かにこの子は強いな・・・・」
「・・・・・望様?・・・・賭けるおつもりですか?」
信じられないという様な四季の眼差しに、迷いはないと頬笑み返す。
俺だって不安だ。
生半可な覚悟で居られる環境じゃない。
どんなに守ろうとしても守りきれないかもしれない。
だけど、・・・・それも分からない先の話だろう。