暴君と魔女
「なぁ、四季。もし、その未来を避けてお前が俺の傍を離れたのなら、その未来が実現する様なこの再会は無かったと思わないか?」
「・・っ・・・それは・・・」
「お前が何をどこまで見たかは知らない。だけどもこの子の必ずしも結末まで見たわけじゃあないんだろう?」
「・・・・・はい、ただ・・・・確実にあの家の力で・・・・、それこそ死にたいと感じる苦痛を経験するのは見えました」
少し・・・胸が締め付けられる。
死にたい・・か。
それは・・・・親として・・・・思ってほしくないな。
僅かに揺らぐ決意で自分がもう父親なのだとこのタイミングで再確認した。
それでも、それでもな・・・・、
「・・・・転ばない人生はない」
「・・・・」
「それこそ、傷も痛みも知らない人生なんてあり得ないんだよ四季。お前は起こり得る危険を全て予測して怪我も痛みもなくその子を守る気でいるのか?」
「・・・っ・・・そう言うわけでは」
「大げさな事を語れば、そういった痛みの中にも歓喜する事があるのが人生だろ」
「で、でも・・・、見えて守れる範囲なら私は・・・」
そう食いついてきた四季の額を軽く小突いて牽制する。
その部分を驚きながら手で押さえる四季の疑問の眼差し。
「馬鹿女。・・・・人の人生を自分でどうにかできる程の存在だと自惚れんじゃねぇよ」
「・・っ・・・・」
「元々見えないのが未来だろ。危険予測された未来にレールを引いて誘導して、それは支配と変わらない」
「・・・・でも・・・」
「自由なんだろ?」
「えっ?」
「お前が言ったんだ。この子が自由で元気で支配されるのを嫌うって」
そう言ってさっきから俺たちのやり取りを見上げている姿を柔らかく撫でる。
改めて捉えた目は色素が薄く、四季に似たのだと笑ってしまった。
そうしてその元であるグレーアイに視線を戻す。
「・・・・・自由で支配されない子がそうそうこの家に支配されるかよ。勿論俺だって出来る限りの事はする」
「・・・・・望様?」
「だから・・・・・俺の傍にいろ。勿論、この子も一緒に3人・・・いや、秋光も入れて4人で」
四季の息がとまった気がする。
驚き見開いた目に少なからず歓喜が混じるのを見逃したりしないからな。