【完】キミさえいれば、なにもいらない。
そして私は、そのまましばらく落ち込んでいたけれど、ハッキリと振られてしまった以上はあきらめるしかないと思って、なんとか立ち直ろうと頑張っていた。


陸斗先輩のことはもう忘れよう、そう思って毎日を過ごしていた。


そんなある日のこと。


私は放課後お兄ちゃんに用があって二年生の教室まで来ていて。


その時偶然、陸斗先輩とその友達の男子が話している姿を発見してしまった。


そこにお兄ちゃんはいなかった。


なんとなく気になって、ドアの外で足を止めたら、話の内容がこちらまで聞こえてきて。


『そういえばお前、梓とラブラブなのはいいけどさ、遥の妹ちゃんはどうしたの?一時期いい感じだったじゃん』


すると急に、一人の男子がこんなことを言い始めたので、ドキッとして心臓が口から飛び出るかと思った。


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