たった7日間で恋人になる方法

好き?

…私が拓真君を?

この数日間で、いつの間にか、好きになってたの?

拓真君にお願いしたあの日から、まだ7日間しか経ってないのに?

確かにそう自覚してしまえば、この不可解なモヤモヤは、すべて解消される。

この7日間、仮初めの恋人役をお願いして、職場では見ることのできなかった彼にふれ、いつしか気持ちが動いてしまっていた。

バーチャルな世界では絶対に経験することのできなった、リアルな恋愛シュミレーション。

…触れた手の温もりや、耳元で囁かれる低い声音、傍にいて手放したくなくなるほどの安心感。

気付いてしまったら、そのすべてが愛おしい。

この感情は、美園が言いうように、やっぱり”そういうこと”なのかもしれない。

『…美園、私…』
『やっと自覚した?初恋にしては遅すぎでしょ』

からかうような美園の声を聴きながら、泣きそうになる。

だって、初めて自覚した、このリアルな恋心は、絶対成就はしない。

好きなった途端、失恋が確定しているなんて…。

”初恋は実らない”って、世の定石らしいけど、遅すぎるリアルな大人の初恋は、私には苦すぎた。
< 154 / 274 >

この作品をシェア

pagetop